画面アスペクト比とピクセル比と

SD 放送の画面はいったいどうリサイズすればいいんだろう? 最近 (実は前から) ちょっとだけ悩んでいます。

昨今の放送は 16:9 が多いわけなんですが、たとえばフル HD なんていう解像度は 1920x1080 でいいとか単純に考えてわかります。対し SD 放送は 720x480 で格納されていますが、どうも放送局によっていくつに拡大するかバラバラ?

たとえば今は大相撲中継をやっていますが、これは地上波でも BS でも同じ映像が流れます。これを使って同じ場面で比較してみると、 NHK 総合をクロップせずに単純に 1920x1080 に拡大した画像と BS2 をクロップせずに単純に 1920x1080 に拡大 (PAR=32:27) した放送とを見比べてみると、どうも異なります。


キャプチャしたものを貼るのは気がひけるのですが、参考用に貼ってみます。


BS2 の画像が若干上下クロップされており、左右に黒縁が追加されていますが、これは元ソースのままです。こう見比べてみると BS2 の方が若干縦長にリサイズされているのがわかると思います。単純に画面比 16:9 を信じて拡大すると少し縦長になるということですね。


ところで、 NTSC ワイドスクリーンにおいてはピクセル比 (PAR) は 40:33 ですよと決められています。これにしたがって BS2 の方の画像を左右合計 16 ドット削って 704x480 にした上で フル HD サイズに拡大してみます。

なんで 704 なのかというと本当は求めるまでもなく決まっていることなのですが、計算上はこんな感じです。


x\times40 : 480\times33 = 1920:1080
x = (480\times33\times1920) \div (1080\times40) = 704


もともとクロップされている分はどうにもなりませんが、先程の絵よりは地デジの NHK 総合の絵に近づいたでしょうか。それでもきっと少しだけずれています。何が言いたいのかというと、


元々のアス比なんて作った本人にしかわからんからオレらどうすりゃいいの?ということです。


たとえば NHK は 32:27 より 40:33 で拡大したほうが「他の HD ソースに近かろう」絵になるんだけど、さらにつきつめると 40:33 ではなく 6:5 で拡大してみたほうがより近い映像になったりします。しかしそういう情報は入っていないです。

たとえば HD ソースを SD にして再放送しているアニメがあります。しかしダウンコンバートを 1920x1080 → 720x480 とストレートに行っていたら、それは 720x480 → 1920x1080 (PAR=32:27) でストレートに戻さないとアスペクト比はおかしくなってしまうことになりますし、もし 704x480 にあうようにリサイズしつつクロップしていたとしたら 32:27 では元に戻せない可能性が高いです。

作られた映像がどう映るべきなのかっていうのは仕様上はある程度規定されていても、再生する機器や収録する機器によって若干ずれたりするしよくわからんのです。そもそもカメラのレンズを通した時点で人間の視覚とは若干異なるものになるので正解は誰もわからないと言われるとその通りなのかも知れません。(笑)


仕様書とにらめっこしたりもするんですが、チラ見した ARIB の仕様書では MPEG2 放送に関しては 16:9 のディスプレイに表示 (DAR=16:9) しろと書いてあるあたりしか見つかりません。 DAR 指定は MPEG2 の仕様なんですかねぇ。 H264/AVC については ARIB の仕様書の中で aspect_ratio_idc に 5 (40:33) をセットしろって書いてあるのがみつかるのですが。


wikipedia は情報ソースとしてはちょっと弱い… MPEG2 の仕様書とかも読んでみないとだめなのかな。どっかで見られるのかしら。 ARIB の仕様書に書いてあるのならどこに書いてあるんだろう。


ぐだぐだと書いたけど、機器で再生できるフォーマットで書き出すことと、今回の元の画像を再現することは、似ているようでまた別の話です。それを疑問に思っているわけではありません…今回の話はただ自己満足したいだけの話です。(笑)